※この記事は「GLOBIS リーダーシップと人材マネジメント基礎」で私が学んだことを、自分なりの解釈を交えて書き記すメモです。
Day0は事前課題として『グロービスMBAマネジメント・ブック 改訂3版』を読んで学んだこと、その他の教材と合わせて、主に組織行動・リーダーシップ・マネジメントに関して学んだことを記します。
ヒトのマネジメントとは?
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- 経営資源とはヒト、モノ、カネである。
- 組織はこれらを最適に采配(マネジメント)して組織目標を達成しようとする。
- ヒトという経営資源のマネジメントは組織の目標達成をサポートする施策の集合である。
- 活用方法が状況依存的かつ多様的であり、「こうするべき」という考えが結果に繋がりにくい点が特徴である。
- ヒトという経営資源が活用されるのは「①戦略を構築する局面」と「②それを実践する局面」の2である。
近年、ヒトのマネジメントに注目が集まっている理由は大きく2つある。1つ目は、事業環境変化に対応するには個々人が戦略目標を理解して迅速かつ的確に意識決定できることが必要不可欠だから。2つ目は、技術をはじめとして様々な領域でオープン化が進む中、競争優位の源泉が知識や知恵へとシフトしているからである。
HRM「人的資源管理」
人・組織のマネジメント方法に「人的資源管理(HRM:Human Resource Management)」という考え方がある。これは「仕組み」を作ることで人や組織に働きかける点が特徴的なメソッドだ。
ここで注意したいのは、HRMを実行する主語は個人ではなく「企業」ということだ。企業は次の4つの要素を設けてマネジメントを試みる。まず最初にポリシー(ビジョン達成のために組織がどうあるべきか示すもの)。2つ目は人員配置、3つ目は人員役割(どのように活用して管理するかと記載されているが、私はこれを「役割」と解釈した)。最後に4つ目が組織文化。(ポリシーとどう異なるのか?組織文化は後天的なものではないのか?と疑問も生じるが、個人の行動規範によりフォーカスした内容だと捉えればよい)。
あなたの組織はこれら4つを示しているか?それらは適切か?1度見直してみると良い。
リーダーシップとは?
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- リーダーシップとは「組織目標を達成するための行動を取るよう、組織内の個人に影響を与える機能」である。
- リーダーシップは変化に応じて迅速に新しい方向性を打ち出す
- マネジメントは環境が安定している状況で組織目標を遂行する
- リーダーシップは変革を推し進める
- マネジメントは効率的に組織を運営する
- リーダーシップはビジョンを提示する
- マネジメントは計画や予算を立案する
- リーダーシップはメンバーの動機づけをする
- マネジメントは予実管理をして問題解決を図る
- リーダーシップは変化を乗り来る
- マネジメントは複雑な環境を乗り切る
どうやってリーダーシップとマネジメント能力を獲得するか?
ごくシンプルな3つのアクションで獲得可能とされている。
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- 目的と目標を決める
- 目的を達成するための人的ネットワーク(組織)を築く
- 2で築いた組織が目的を達成できるように手を打つ
これは個人的な意見だが、このとき「自分が誰よりも頑張る」といったニュアンスがどこにも登場していないのが印象的だ。思うに、リーダーシップやマネジメントとはリソースの最適化問題を解く営みと解釈すればわかりやすいのかもしれない。
エンパワーメントリーダーシップとは?
リーダーが全てを把握して意思決定するのは困難であり、資源最適配分の考え方からも好ましくない。どうすれば自分が目の届かない現場において最適な意思決定に基づいた行動をしてもらえるか工夫が求められる。このとき、権限移譲をして目標と支援を通じたコントロールにより、現場で意思決定させるエンパワーメントリーダーシップが有効である。
エンパワーメントリーダーシップは一言で言えば「自律性の支援」である。できる限り自分で考えさせ、意思決定をさせることが不可欠である。
「餓えている人がいます。あなたは魚を釣ってあげますか?それとも、釣り方を教えてあげますか?」という有名な問いかけがある。エンパワーメントリーダーシップの観点ではどちらが正解なのか、言うまでもない。
おおまかなプロセスは以下の通り
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- 組織の目的・ビジョンを共有する
- メンバの業務遂行能力と特性を把握する
- 業務目標と育成目標を設定しながらアサインする
- フィードバックと支援をする
よくある失敗としては①目標を明確に示してない、②評価とフィードバックをしていない、③能力を超えた仕事を任せている、④権限移譲と言いながらも部下の行動を細部まで管理する、といったパターンが挙げられる。
なお、取るべき判断や行動の指針を作り上げ、自律性を促すという観点では、組織文化の形成もかなり有効的である。直接的に改変はしにくいが、間接的に働きかけて組織文化をコントロールできると良い。
少し観点を変えて、環境変化が激しい昨今では、過去の成功に囚われず、むしろ自ら進んで変化を生み出し、変化に自律的に対応する「自己変革型組織」が求められる。そのような観点でもエンパワーメントが有効である。
モチベーションとは?
どのようにしてヒトは動機づけられるのかを解明しようとする研究をモチベーションの過程説という。動機づけのプロセスを解明して、再現性を担保できれば、特定の手法によってヒトを動機づけることが可能となる。
過程説でポピュラーなものに目標設定理論がある。よくMBOとして企業に取りれられている手法で、以下4つの要素によりヒトを動機づける。
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- ある程度挑戦的なストレッチ目標の設定
- 目標の具体化
- 自らによる目標設定
- 途中過程でのフィードバック
ただし、これらの4つの要素を正しく取り入れず、ストレッチした目標を取り入れただけで、フィードバックや自発的目標設定をさせていない、「カタチだけのMBO」が溢れているのが現状である。
繰り返しになるが、これら4つの要素が揃って初めてMBOは機能して、ヒトを動機づけられる。
上司と部下とモチベーション
過程説では、目標設定やフィードバックが重要であることから、個人のモチベーションが上司と部下のコミュニケーションに大きく依存しているとわかる。モチベーションのメカニズムを正しく理解して、正しくコミュニケーションすることが求められる。
キャリアデザイン
個人として譲れない価値観を把握するのは、今後のキャリアを考える上で非常に有用である。診断方法の1つにキャリアアンカーなるものがある。下図は筆者のキャリア・アンカー診断結果である。
キャリア・アンカー診断は、このサイトhttps://chikaku-navi.com/carrier/で無料診断可能なので、ぜひやってみてほしい。
集団の特徴とマネジメント
集団では徐々に「メンバーが従うべきと考えている暗黙のルール」が形成され、メンバーが他のメンバーにプレッシャーを与えて従わせるようにし始める。この暗黙のルールを規範と呼ぶ。規範にはポジティブなものとネガティブなものがあり、もしも集団で暗に形成されている規範がネガティブなものであれば、容易ではないが変革しようと行動するべきである。
集団にとどまりたいという気持ちを凝集性と呼ぶ。凝集性が高まるほどメンバは集団目標の達成に向かっていっそう努力するようになる。凝集性を高めるためには目標への合意が重要。他には、集団を小規模に保ったり、集団で過ごす時間を増やしたりといった手段が有効である。
つまるところ、パフォーマンスを向上させる施策は「人員の組み合わせ」と「凝集性」の2つだとされる。であるならば、まず、不足スキルを相互補完できるようにメンバを最適配置+適切な役割を与える。そして、具体的な目標設定と合意形成をする(必要に応じて権限移譲してコミットメントを強める)ことが重要となる。
コンフリクト
最も日本人が嫌いなイベントの一つはコンフリクト。つまり他者との競合・対立・軋轢であろう。しかし、コンフリクトはネガティブな面ばかりではない。ときにコンフリクトはアイデア創造や問題発見といったポジティブな効果を生む。
組織内でコンフリクトが生じたときは、新しい気づきを得る機会だとポジティブに捉えると良い(でないとストレス過多になる)。
なお、コンフリクトの解決方法は案外単純である。なぜなら2つの方法いずれかで基本的に解決できるからだ。1つ目は状況そのものを変えること。2つ目は当事者の態度や対応を変えること。
組織構造
最近はマトリクス型組織が流行っているようだが、責任が曖昧になる点が課題として指摘されている。
参考:マトリクス型組織 引用元:https://www.reloclub.jp/relotimes/article/11852