人工知能は人間を超えるか/松尾豊
人工知能の入門書とも言われている本書。感想まとめ第3弾です。
第1弾はコチラ
https://r2d.info/2017/10/30/matsuo1/
第2弾はコチラ
第6章:人工知能は人間を超えるか
6章には今後の人工知能の展望を予言して、最終的に「人工知能が人間を支配するような未来はこない」と締めくくっています。今後の人工知能ロードマップは各地で謳われているものでして、把握しておいた方が良いでしょう。
抽象化:
物事の類似・対比・因果といった「隠れた仕組み」を見つけ出すこと。
①画像特徴の抽象化:
既にディープラーニングの登場で実現されつつあるレベル。画像から「ヒト」や「ネコ」の概念を抽出する。
②マルチモーダルな抽象化:
画像だけでなく音やセンサ値も合わせて認識をする。
③行動と結果の抽象化:
コンピュータ自らの行動と、結果として得られる外部情報の因果関係を抽象化して理解する。このあたりから身体性が強くなっている気がする。ブロックを押せば動くといったことを理解する。この段階までくると、何の行動が何に影響するのか因果関係を理解し始めるのでフレーム問題を解決しうる。
④行動を通じた特徴量の獲得:
ややわかりにくいが「一連の行動の結果として世界から引き出せる特徴量」を得ることができる段階。例えば、ゲームをプレイしてみて難しかった・簡単だったということを認識するといった具合だ。コップを強く握ったら割れたということを学習しだすと知能の環境適応がすすむ。
⑤言語理解:
概念と記号を結び付けて、シンボルグラウンディング問題を克服する。
⑥知識獲得:
文章等から知識を獲得・創出する。
所感としては、身体性の獲得によってフレーム問題の解決、言語理解によってシンボルグラウンディング問題を解決というのがポイントであろう。
終章:変わりゆく世界
終章では今後の人工知能による事業展開、日本業の課題などが記されている。
この図を見れば早いので引用しておく
出典源:http://www.soumu.go.jp/main_content/000400435.pdf
以上、最後は駆け足でしたが、まとめでした