史上初の自動運転による死亡事故 2018年3月18日@アリゾナ

2018年3月18日にアリゾナで史上初の自動運転による死亡事故が発生。自動運転界隈にとってショッキングな事件とされており、今もかなり話題になっているので内容を調べてみた。

 


東洋経済

アメリカ現地時間の3月18日夜、ライドシェアリング大手の米ウーバー(Uber)がアリゾナ州テンピで行っていた完全自動運転の実証試験中に歩行者の女性をはねた。女性は病院に搬送されたが死亡が確認された。

これを受けてウーバーは、アリゾナ州、カリフォルニア州、そしてオハイオ州で実施してきた公道での完全自動運転の走行テストを中止したと発表した。

 

今回の事故を受けて『開発途上の自動運転技術で公道を走らせるのはやっぱり危ない!』という声が大きくなりそうですし、まず最初に予想された展開がこれですね。もちろん必要な対応ですが、ここまでは形式的・儀式的な対応とも解釈できます。

 


日本経済新聞

地元警察は歩行者が急に飛び出し、人間でも避けるのが難しい事故だったとみている。

車両は時速64キロメートル以下で自動走行していたとみられ、衝突直前に減速した形跡はなかった。雨や雪は降っておらず、走行が難しい気象条件でもなかった。

運転はかなり安全重視だ。法定速度内で走るようプログラムされており、スピード違反はありえない。基本的には常に道を譲る設定となっている。

 

このあたりからずいぶんと擁護的になっています。つまり『自動運転の特別な事故』ではなく『ただの事故』にするための論に見えます。『自動運転だから』ではなく『歩行者が飛び出したから』というロジックを成立させることで、事故過失割合を自動運転側から取り除こうというストーリーですね。

 


日本経済新聞

自動運転機能が作動中で、運転席には監督者も乗っていた。

自動運転機能+監督者があったにもかかわらず事故が起きたとなると、誰の過失なのか本当にわからなくなってきますね。監督者という登場人物の追加によって、さらなる擁護の予防線として歩行者の過失でもなく自動運転技術の過失でもなく、同乗していた監督者の過失になるというストーリー展開の可能性も浮上します。

 


 

誰がどの立場をとるのか今は不明ですが、自動運転は操縦技術以外にも倫理と責任の問題に必ずぶつかると言われています。今回の事故によってどのように話が進んでいくのか注目です。

 

PRMU企画セッション2018の資料が深層学習入門編としてとてもわかりやすい

電子情報通信学会の総合大会@東京電機大学に参加してきました。

同時開催されたPRMU企画セッション『人工知能・深層学習の実世界応用』にてご講演されたシモラセ・エドガーさん@早稲田大学の資料が非常にわかりやすかったので備忘録としてまとめます。

まとめますというか、一般公開されているのでリンク先を見てもらえればいいのですが。

シモセラ・エドガーさんによるpdf資料

企画セッションのサイト

 


セッション中に”イイネ!!” と思った発言集

・ディープラーニングは万能ではない、問題を選ぶ必要あり

・パラメータは学習で決まるもの、ハイパーパラメータは人間が経験で決めるもの

・深層学習による自動的な特徴量抽出によってヒューリスティックを避けられる

・非線形の活性化関数をはさむことであらゆる計算式が近似できる(↓↓ 例えばこれ Wikipediaより)

・Adadeltaとバッチ正規化はとてもオススメ

・モデルや学習では解像度を下げることが重要

・TensorFlowは静的と動的なグラフが可能で、生産に焦点をあててる (←そうなの!?と驚いたけど、いつの間にか動的ネットワーク生成に対応したTensorFlowFoldってのが登場してたようです)

 


資料中で引用されていたAlec Radfordさんによる学習率の違いを示したアニメーションが面白かったです

 

マーケットインとプロダクトアウト

マーケティングを勉強してれば必ず耳にする「マーケットインとプロダクトアウト」について簡単にまとめます。


プロダクトアウト

・技術ありきの戦略。
・企業側の思想に合わせた開発。
・提供側の発想で商品開発を行うこと

スティーブジョブズの有名な言葉に「多くの場合、人は形にして見せて貰うまで自分は何が欲しいのかわからないものだ」とあるように、イノベーションを起こすにはプロダクトアウト観点は必須です。

「もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、彼らは『もっと速い馬が欲しい』と答えていただろう。」というヘンリーフォードの言葉もありますね。

なによりプロダクトアウトのいい点は、技術起点の開発のため他社に真似されにくい製品やサービスを世に送り出すことに長けている点です。


マーケットイン

・顧客ありきの戦略。
・売れるものを創ろうとする開発。
・顧客側の発想で商品開発を行うこと。

顧客要望を無視してやりたい開発だけを進めることは独りよがり、また、博打のようなもので、マーケットインの視点が堅実な利益へとつながります。


筆者の意見

ロードローラーさんの意見としては、やはり自身が技術者ということもありプロダクトアプトの視点が強いですね。他社に真似されてコモディティ化されると価格競争にしかならないので。

マーケットインを主体で進めるとしたら、市場で1番乗りになることを目指し、他社が追いかけてきたころには次のマーケットを見つける機動力を持つ必要がると思います。


注意点

マーケットインとプロダクトアウトは対立する思想ではなく、両方の考え方を同時に適用することは可能です。むしろ同時に持つべきです。