読了「人工知能は人間を超えるか/松尾豊」(その2)

人工知能は人間を超えるか/松尾豊

人工知能の入門書とも言われている本書。感想まとめ第2弾です。

第1弾はコチラ
http://r2d.info/2017/10/30/matsuo1/

第3弾はコチラ
http://r2d.info/2017/10/31/matsuo3/


第3章: 第2次 AIブーム(1980~1995)

エキスパートシステム:
専門分野の知識を大量に取り込み、推論を行う。

MYCIN(マイシン):
1970年代にスタンフォード大学が開発した人工知能。伝染病の血液疾患の患者を診断して抗生物質を処方する。膨大に蓄積された知識を基に、患者の症状に対してIF文を繰り返すことで症状を判定する。

エキスパートシステムの課題:
・専門家の知識ヒアリングに膨大な労力がかかる。
・ルールに一貫性が保たれない。
・曖昧な状態を表現でき無し。
・人間にとって常識的な知識を導入しにくい。

オントロジー研究:
「概念化の明示的な仕様」と定義され、知識を記述するときの仕様を定義しようとする研究。このように、エキスパートシステムの課題を受けて知識をどう定義するかの研究が盛んになった。

ヘビーウェイト・オントロジー:
人間によって概念間の関係を正確に定義して、知識を記述する。

ライトウェイト・オントロジー :
効率性を重視して、正確性に少々かけても大量のデータを読み込ませて自動で概念間の関係性を見つける。Webマイニングなどと相性が良い。

Watson:
IBMが開発した人工知能。ライトウェイトオントロジーの究極系とも称され、2011年にクイズ選手権で優勝。

フレーム問題:
あるタスクを実行するうえで関係ある知識だけを取り出して使うという作業が、ロボットや人工知能にとっては難しいという問題。バッテリーをとってくることを指示されたロボットが、バッテリーに付与された時限爆弾をどう処理するか、というダニエル・デネット氏の話が有名。

シンボルグラウンディング問題:
記号(文字列・言葉)と、それが意味するものとを結び付けられていないという問題。フレーム問題と並んで人工知能の難題とされる。

 





第4章: 第3次 AIブーム①(2010~2015)機械学習

機械学習:
「学習することとは分けること」と本書には記載されている。蓄積されたデータについて、それらのデータをどうすれば目的に沿って分類できるのかというイエス・ノー問題の解き方を人工知能が自ら学習する。

代表的な分類手法①:最近傍法
1番近いデータと同じカテゴリーだと認識する。

代表的な分類手法②:ナイーブベイズ法
データの特徴ごとに、どのカテゴリに当てはまるのかを算出して加算していく。

代表的な分類手法③:決定木
ある属性の値で線引きをして、その二分割を繰り返す。空間を斜めに切ることができない点が弱点。

代表的な分類手法④:サポートベクターマシン
マージンを最大にするようにいい感じに境界線を引く。

代表的な分類手法⑤:ニューラルネットワーク
人間の脳構造をヒントに開発された技術。後にディープラーニングへとつながる。

機械学習における難題:
フィーチャーエンジニアリング(識別のための特徴量設計)を人手でしなくてはならない。深層学習の搭乗前は、いい特徴量を作るのが一番大変で、人間がやるしかないとされてた。

なぜ今まで人工知能が実現しなかったのか:
知識の記述が出来ない。フレーム問題。シンボルグラウンディング問題。特徴量設計が難しい。総じて「世界からどの特徴に注目して情報を取り出すべきか」について人の手を借りざる得なかった。(これの解決の兆しを後に深層学習がみせるわけである。)

 


第5章: 第3次 AIブーム②(2010~2015)ディープラーニング

2012年のILSVRCでトロント大学がディープラーニングにより圧倒的な勝利を収めて世界に衝撃をもたらしたこと。そこから、ディープラーニング技術の詳細が記載されている。技術的なことについてはここでは省略します。(ググればSlideShareなど山ほど資料があるので)

ディープラーニングは今まで人工知能が実現できなかった概念を自ら作り出すということを可能にしうる。最難題である「世界からどの特徴に注目して情報を取り出すべきか」を学習により解決できる可能性を秘めている。と語られている。

 

つづく、(かも

読了「人工知能は人間を超えるか/松尾豊」(その1)

人工知能は人間を超えるか/松尾豊

人工知能の入門書とも言われている本書。「人工知能とは何なのかを正しく理解しよう」というコンセプトで執筆されています。私は人工知能の開発に従事する技術者ですが、それでも「正しく理解」というフレーズを前にすると「念のため読んでおこう」という気持ちにさせられした。勘違いや思い込みとは最も恐ろしいものですからね。吉良吉影もそういってます





第1章:人工知能とは何か

人工知能の定義について、著名教授の見解紹介や、様々な角度からの定義を試みている。

人工知能研究者の目的:
人工知能研究者は構造論的に知能を解明しようとしている。対照的に、脳科学者は分析的に知能を解明。

チューリングテスト:
コンピュータと別の部屋にいる人間が画面とキーボードを通じて会話する。相手がコンピュータだと見抜けなければ合格。

AI効果:
原理がわかってしまうと「これはAIではない!」と思ってしまうこと。

AIの4段階:
レベル1 :   制御工学による制御をマーケティング的に人工知能と称している。
レベル2 :  推論探索や知識ベースにより振る舞いが多彩なもの。
レベル3 :    機械学習によりルールを自ら学習する。
レベル4 :   深層学習によって特徴量を自ら抽出する。

※一見、レベル3とレベル4が似ているように感じるかもしれません。が、これらは全然同じではありません。

「強いAI」と「弱いAI」:
強いAI:   人間の知能を工学的に実現。
弱いAI :  限定された機能によって、知的な問題解決が一見できているかのようにふるまう。

中国語の部屋:
中国語がわからないオペレーターが、中国語で問い合わせされたとい、入力された文字を膨大なマニュアルに照らし合わせながら確認し、決められた返答をしても、会話が成立したように見えるがその人は中国語を理解してはいない。


第2章: 第1次 AIブーム(1956~1970)

探索:
深さ優先探索や幅優先探索といった、場合分けによって答えを見つけ出す。

ハノイの塔:
第1次AIブームでは、単純な問題をAIで解くことができた。その例としてよく挙げられるゲーム。

ディープブルー:
1997年にチェス世界チャンピオンを下したIBMの人工知能。

モンテカルロ法の導入:
チェスや将棋における人工知能の性能を飛躍的に向上させた手法。ランダムに手を指し続けて終局させるという行為を何度も繰り返し、望ましい結果が得られた回数から、次の一手を評価する。

トイプロブレム:
ビジネスや医療など現実世界はいっそう複雑であり、AIには限定的なルールの定められた問題(トイプロブレム)しか解けないとされた。

 

つづく http://r2d.info/2017/10/30/matsuo2/

第3弾はコチラ
http://r2d.info/2017/10/31/matsuo3/

ニコラ・リバレさんの講演会(スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド プロデューサー)


『スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド』

先日、岡崎ワールドミュージックフェスタで同時開催されたニコラさんの講演会に参加しました。

ニコラ・リバレさんは富山県南砺市で毎年開催される日本最大のワールドミュージック祭典『スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド』のプロデューサーです。

私自身、スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドは未参加ですが(来年こそは必ず・・・!!)、参加している多くの友人から話は伺っていました。

集客に便利な東京や大阪ではなく富山県という開催地選択、若者に人気なJ-POPではなく世界中のアーティストを招待してワールドミュージックをするというコンセプト、地域や音楽的なカルチャーを強く感じずにはいられません。




講演内容メモ(※忘れた部分はwikiから補完)

・『スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド』は異文化交流を目的に開催。

・老若男女が楽しめるという目的からワールドミュージックを選んだ。

・開催中は世界各国から招いたプロミュージシャンのライブステージが行なわれる。

・プロミュージシャンが市内滞在中に、楽器演奏指導や楽器製作等のワークショップを開催して地域の方々と交流を図る。

・指導を受けた子供たちがそのまま出演してパレード演奏したりもする。

・地元住民との交流だけではなく、世界各国から集まったミュージシャン同士も滞在中に交流する。フェスティバルを通じてバンドが誕生することもあった。

・こうして、世界各国のミュージシャンと異国文化交流をはかる市民参加型フェスティバルとして続いている。


集客無くしてイベントは成り立ちませんが、異文化交流というコンセプトがぶれることなく、ここまで人気のイベントになったというのはスゴイの一言に尽きます。

集客目的の工夫をしてしまったばかりに初期コンセプトからズレてくるというのはよく聞く話ですが、スキヤキは最初から最後までワールドミュージックの祭典として、目的であった異文化交流を見事に果たしています。

特に、市内に滞在中のミュージシャンが地域住民とワークショップで交流というのは、国籍や文化が異なる人同士が音楽を通じて繋がるということを体現するかのような取り組みです。

さらに、開催中は地元飲食店によるフードブースもあり、これもまた食文化の交流ですね。

ここでは、全てのきっかけが音楽で、人がどんどん繋がっているようです。


おまけ雑談1

スキヤキの会場であるヘリオスには、音楽の都・ウィーンの音色の代名詞といわれ、世界三大ピアノのひとつとしても有名な「ベーゼンドルファー」があります。行けば普通に素人でも演奏させてくれるようです。

スキヤキで演奏したプロミュージシャンからは『今まで演奏してきたピアノの中でも1番いい!』との声が上がってるとか。


おまけ雑談2

今年のスキヤキで注目だったアーティスト。後輩に薦められてCD即買いしました。アルゼンチンの音楽って最近ちょいちょい話題になっているイメージでしたが、ひょっとしたら彼らが噂の中心?

 


おまけ雑談3

岡崎ワールドミュージックフェスタも食文化・地域・音楽といったカルチャー溢れるイベントですので是非参加してみてください。


お寺をステージにライブします


東大路丸太町にある膳洛さんのフード。こちらのお店はファンが多く、間違いなくうまいので是非一度足を運んでみてください。