1人でもアンチがいたら周囲からの評価が下がる?

たまには専門外の論文を読んでみるのもいいなと思い、今回は『心理学研究』の論文を漁ってみました。

今思えば大学時代は一般教養科目で妙に人気だった心理学、いったいどんな論文が投稿されているのでしょうか・・・

今回は優秀論文賞を受賞したものから「表情の快・不快情報が選好判断に及ぼす影響」という論文を読みました。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpsy/advpub/0/advpub_87.15043/_article/-char/ja/


要約

内容①:対象物Xへの選好判断は、周囲の人物から対象物Xへのシグナルにより影響を受ける。

そりゃそうだって感じですね。みんなが好きなものは好きになってしまうのが日本人。行列があれば並びたくなるのが日本人ですからね。

内容②:他者が示すシグナルによる選好判断への影響を調査する。
内容③:無意味図形を好感度評価の対象として実験を行う。

無意味図形を使うというのは面白いですね。理由は好きや嫌いの事前情報が存在しにくいため。食べ物や芸能人だったら他人が示すシグナルに影響を受けようが「好きなものは好き!」となってしまいますから。

内容④:無意味図形を表示後に他者の表情を変化させて実験する。

むむむ、このあたりから怪しくなってきた・・・。つまり無意味図形の周辺に何人かの顔画像(無表情)が表示されて、図形表示後に喜んだり嫌悪感を示したりするということ。これで問題設定がきちんとモデル化できてるのか少々疑問です。

内容⑤:周囲が喜びを示すと、対象物に好感を抱く場合が多い。

なるほど、ここまでは直感と一致した結果ですね。

内容⑥:参加者のうち喜びを示す割合が多いほど好感を抱きやすい。
内容⑦:好感度の上がり具合には、喜びを示す絶対数ではなく割合が重要。

これは予想外。つまり50/100よりも6/10のほうが好感度の上がり具合が大きいということ。まぁたしかにファンが何人いるかということよりも、誰もが好きって方が説得力を感じなくもないですね。

内容⑧:嫌悪を示す人がいると好感度は下がる。
内容⑨:割合に関係なく1人でも嫌悪を示す人がいると好感度は下がる。
内容⑩:好感度の下がり具合は人数と関係なく、1人でも10人でも同程度下がる。

これですよこれ。つまり1人でもアンチがいればそれだけで好感度を下げうるということ。好感度を上げるのはあんなに大変だったのに。

これも直感通りと言えば直感通りかもしれません。火の無いところに煙は立たないというように、1人でもアンチがいれば「ひょっとして…」と思うのが人間の心理なのでしょう。Amazonレビューでもそうな気がします。


まとめ

おおむね直感通りでしたが、無意味図形を用いるなど実験環境の問題設定だったり、他要因の排除だったりに工夫を感じる研究でした。